同志たちの境遇

先日、神戸市北区で開業なされておられる近藤誠宏先生らが主催されている心エコーの研究会に行きましたところ、久しぶりに山浦泰子先生にお会いしました。「ホームページ見ましたよ。」といってくれましたので、いろいろと書いてみたいと思います。山浦先生は卒業年次が同級で、初めてお会いしたのは神戸中央市民病院の試験でした(多分しらねーだろーなー)。確か私が受験番号が39番くらいで彼女と同じ組で面接を受け、はっきりと循環器をやりたいと述べていたので印象に残っていました。中央市民病院に入ったあとはご存じの通りの活躍で心臓超音波の教科書にもお名前が載っております。実は、私も市民病院の試験に合格していましたのですが、入局予定の医局に相談したところ当時は仲が悪かったためか?どっちかにしてくれといわれ、市民病院の方を辞退しました。研修を終えた当時、自分に最も不足している臨床の力がエコーだと思っていましたので、エコーの研究グループを希望し、横田先生の元で研修をはじめることになりました。そんなこんなで、エコーというフィールドでその後十何年にも渡り中央市民病院の先生方と、学会や研究会でdiscussionしていくとは、昔は全然思わなかったですね。

最近、私が学会活動を活発にしていた当時の先生方の境遇がいろいろ変わってゆき、あまりにお偉く成られてお声をかけにくい先生や、田舎の病院にすっこんでしまったり私と同様に開業されていく先生が多くなってきました。最近では、井内先生、近藤先生、高木先生や伊賀先生など・・

寂しいですねー。新しいことを同じ方法論で研究し切磋琢磨しあっていた先生方が、それなりの道を進まれ、臨床心エコーから万一離れていく様なことになるようなことがないように祈ります。というのは、心エコーの機械は大変高価で、開業医レベルではまず減価償却できないと思われるからです。私も、横田先生が検査患者を送るといわなければ、まず、やめていたかも知れません。私が購入した頃よりは、今はカラードプラの汎用機は安くはなっていますが、病院で検査していた新鋭機をほしがると無理でしょう。高いものは1億近くしますから・・・・。しかし皆、心エコーの本当の有用性を極めた方たちばかりだから、やっぱり臨床心エコーからは離れることはないと思います。また、研究会に出てきていただいて、どんどんdiscussionして頂くとありがたいし、こちらも元気がわきます。

ところで最近のエコーは以前と異なり、プローベで発信していたRF信号が変調されず入力され、そのままで修飾できるものができてきているそうです。バージョンアップも、基盤の入れ替えだけですし、完全にコンピューター化してきています。私は、将来的にエコーの機械は、ノート型パソコンに、ソフトを入れて外づけプローベだけを売るようになってくると思います。往診鞄に入れて、その場で検査できるように成る時代も遠からずやってくると思っています。先日の講演会で、吉田先生もおっしゃられていましたが、超音波というものは、被爆を考えなくていいぶん、放射線やCTより身体に優しい検査法です。しかしながら、機械よりも人間の技術や知識が要求される検査法であり、医師のみならず、検査士の教育レベルアップが望まれます。私は、まだまだ心エコーを極めたとは思っていませんので、これからも努力して私が知った新しい知識や技術をこのホームページを通じて情報提供してゆきたいと思います。 inserted by FC2 system