サイバー心エコー室

今まで、いくつかの病院に心エコー検査技術の指導に行っていて、遠隔地で頼まれて困ったことがあり、こういうコーナーがあったらいいなとずっと思っ ておりました。ここ、サイバー心エコー室では、心エコー検査に関する初歩的質問から症例の診断に関する質問、相談、を何でも受け付けます。また、上手な画 像描出のテクニックなどをわかりやすく解説したいと思います。
基本的に、このサイトは心臓超音波を勉強したい医師ないし超音波検査士を目指す検査技師さんを対象に書いてあります。
できるだけ、教科書に載っていないことを中心に書いて行きたいと思います。

なお、誤字や誤りがありましたら、ご指摘いただければ、適時改訂して行きます。このページが、皆の共同作業で良くなればいいと思っています。

今月の一例 テクニック リクエスト

●超音波に関して有用なページ

ドクター・ソノのページ(かつて東芝メディカルでしたが、Canonに移行しています)

https://www.medical.canon/jp/lecture/index.html

GE ECHO Wazaari

http://gecommunity.on.arena.ne.jp/waza-ari/movie/junkanki.html

Echo skill up

http://www.echo-skillup.com/joomla/

●学会や雑誌で画像や質疑のあるもの

日本心エコー図学会 Q and Aコーナー

http://www.jse.gr.jp/others/qa/index.html

日本超音波検査学会 Eラーニング

http://www.jss.org/e-learning/index.html

さて次の症例は、カラードプラで軽度の大動脈弁逆流を認めた30代の男性の大動脈弁レベル短軸像です。

左の閉鎖時は異常ありませんが、右の開放時には右冠尖と、左冠尖の交連部が癒合しています(矢印)。これは、年令などから後天的に生じたものとは考えにくく、先天性の二尖弁であると診断できます。この程度の癒合で済んでいて無症状の二尖弁は結構頻度が多いです。



二尖弁を見つけるこつは、
1.大動脈弁の開放が、medial sideとlateral sideでかなり異なる。→ほぼ間違いなく垂直型の二尖弁を疑って下さい。
2.大動脈弁逆流が若年者なのに存在する。ジェットの方向が偏位が見られる。→ジェットの偏位はprolapseのように弁病変が強くないのに、弁のcoaptationが不良である場合に多く認めます。
こ のような所見を見つけたならば、二尖弁を疑って1.Frame rateの速い設定で2.弁輪に対して垂直なWindow(必ずしもparasternalとは限らない。高齢者では心尖部に近いWindowの事もあり ます)で、大動脈弁開放をじっくり見て下さい。必ず、びっくりする頻度で二尖弁を見つけることができるでしょう。

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